『関西英学史研究 第10号』 2017年2月
目 次
論 文
借用語の意味変
―futon「布団」とhibachi「火鉢」― 土居 峻
マリア・ルス号裁判はいかに伝えられたか
――The Japan Weekly Mailの報道を中心に―― 岩上はる子
ジェインズとハーンとチェンバレン 石井容子
資 料
日本英学史学会関西支部 2016年度活動報告
日本英学史学会 関西支部会則
日本英学史学会 会則
『関西英学史研究』執筆要領
関西支部会員名簿
本体54ページ
頒布価格 1,000円(別途送料)
『関西英学史研究 第9号』 2016年6月
目 次
研究ノート
英学黎明期の英文法書における文法用語の訳述起源について
― Verbs にかかわる訳語、概念の変遷を視座に― 佐古敏子
書 評
金坂清則『イザベラ・バードと日本の旅』を読む 北垣宗治
イザベラ・バード著・金坂清則訳注『完訳 日本奥地紀行』を読む
―イザベラ・バードが見た日本におけるキリスト教伝道―
西口 忠
資 料
2015年度関西支部活動報告
日本英学史学会 関西支部会則
日本英学史学会 会則
『関西英学史研究』執筆要領
関西支部会員名簿
本体52ページ
頒布価格 1,000円(別途送料)
『関西英学史研究 第8号』 2014年9月
目 次 (創立50周年記念号)
巻頭言
創立50周年記念号に寄せて 加藤詔士
講演録(第50回記念支部大会 記念講演)
重久篤太郎と関西支部 北垣宗治
論文
川柳を愛した英国人R. H. Blyth
―川柳の翻訳活動を中心に― 吉村侑久代
サトウ書簡から見たディキンズの動向
―1877年から1882年まで― 岩上はる子
お雇い造船学教師P. A. ヒルハウス
-帰国後のH. ダイアーによる推薦- 加藤詔士
報告
日本英学史学会関西支部
第50回記念支部大会 事務局報告 事務局
論文の訂正について(ISHII Masako “Sixty-five Western Books
Impressed with Vermilion Stamps in the Possession of Prefectural 事務局
University of Kumamoto Library,”『関西英学史研究』第7号) 石井容子
資料
歴代支部長・幹事(事務局長)
支部大会(1964-2014)と研究大会(1990-2014)の記録
『関西英学史研究』既刊号 目次(論文・研究ノート・書評)
日本英学史学会 関西支部会則
日本英学史学会 会則
『関西英学史研究』執筆要領
関西支部会員名簿
本体94ページ
頒布価格1,000円(別途送料)
『関西英学史研究 第7号』 2012年8月
論文
Sixty-five Western Books Impressed with Vermilion Stamps
in the Possession of Prefectural University of Kumamoto Library
ISHII Masako(石井容子)
お雇い教師ヘンリー・ダイアー研究-わが国における成果と動向- 加藤詔士
フルベッキ書簡(1) 1860(安政6)年1月14日~1861(万延2)年3月16日付書簡 村瀬寿代
書評
堀 孝彦『開国と英和辞書:評伝・堀達之助』(港の人、399 pp., 6000円, 2011年9月) 北垣宗治
資料
日本英学史学会 会則
日本英学史学会 関西支部会則
『関西英学史研究』執筆要領
関西支部会員名簿
本体94ページ
頒布価格1,000円(別途送料)
『『関西英学史研究 第6号』 2011年12月
論文
L. L. Janes 大尉の日本における足跡
―熊本県政資料、米國遣傳敎使事務局文書、第三高等学校関係資料等を通して― 石井容子
明治期グラスゴウ大学日本人留学生 加藤詔士
陸奥廣吉-その人物像と英米との関わり 奈良岡聰智
研究ノート
『諳厄利亜語林大成』における動詞の考察
-動詞の表記方法についての分類と検証- 柴田篤志
資料
日本英学史学会 会則
日本英学史学会 関西支部会則
『関西英学史研究』執筆要領
関西支部会員名簿
本体88ページ
頒布価格1000円(別途送料)
『関西英学史研究 第5号』 2010年8月
論文
独歩と蘇峰:
『国民新聞』における日清戦争報道より 石倉和佳
F. V. ディキンズの書簡から見えること ―晩年における日本観の変容― 岩上はる子
わが国におけるフェリシア・ヘマンズの受容 ――明治期を中心に―― 齊藤晴恵
研究ノート
日本の英語受容における変化について
-森山栄之助に見られる英語習得過程からの考察- 柴田篤志
資料
日本英学史学会関西支部研究発表記録(1979~2009)
日本英学史学会 会則
日本英学史学会 関西支部会則
『関西英学史研究』執筆要領
関西支部会員名簿
本体74ページ
頒布価格1200円(別途送料)
『関西英学史研究 第4号』 2009年11月
論文
江戸末期における、日本使節団一行の西洋視察の一考察
―第二回ロンドン万国博覧会を中心に― 大前義幸
工部大学校お雇い教師ヘンリー・ダイアーへの謝意 加藤詔士
「横浜開港」とベースボール
―明治29年(1896)、本邦初の国際四試合をめぐって― 堀江義隆
資料
日本英学史学会関西支部研究発表記録(1979~2009)
本体48ページ
頒布価格1000円(別途送料)
『関西英学史研究 第3号』 2008年3月
目次:
「インスピレーション」をめぐって-蘇峰とロマンティシズム 石倉和佳
F. V. ディキンズと南方熊楠 ――ロンドン時代を中心に―― 岩上はる子
永井荷風とフランス ―その西洋批判の意識を追って― 大前義幸
大阪における英学三校の背景 佐光昭二
ロ ス マ ロンソウ
南方熊楠の「落斯馬論争」より学ぶもの 吉田芳輝
本体64ページ
頒布価格1000円(別途送料)
『関西英学史研究 第2号』 2006年12月
目次:
フルベッキを巡る人物交流 村瀬寿代
日本初の外国(外遊)俳句作者
―加藤素毛(万延元年遣米使節随行員)の見た亜米利加と周海― 吉村郁久代
大阪における企業内教育の起こり 岩崎英学校・日進学舎の場合 佐光昭二
「縛られた巨人南方熊楠」は何に縛られたのか 吉田芳輝
日本近代化のなかのお雇い教師W.K.バルトン 加藤詔士
徳富蘇峰の詩人論
―「新日本の詩人」の特質と限界 石倉和佳
早稲田で教えた初期の同志社出身者 北垣宗治
日本における駒井権之助
新たな事実と多彩な人物交流― 西口 忠
本体125ページ。
頒布価格1200円。切手または郵便小為替。
残部、3冊です。
『関西英学史研究 創刊号』 2005年11月
論文 目次
何禮之の大坂私塾について 佐光昭二
徳川頼倫と南方熊楠の出会い:
ロンドンにおける紀州出身の集いとその日付問題 吉永武弘
ガーター・ミッション横浜到着までと
A・B・ミットフォード 大西敏男
明治初期の「一六休み」をめぐる問題
―お雇い教師と文部省の対立― 村瀬寿代
「南方熊楠のフロックコート」について:
「三好から貰ったフロックコート」伝説の考証 吉田芳輝
「イソップ寓話」に表れる「自由」の概念 岩男久仁子
残部はありません。
『関西英学史研究』創刊号のことども
日本英学史学会関西支部にとって、独自の研究誌を発行することは長らくの悲願であった。会員の中には、本部で発行している『英学史研究』こそが重要であって、支部の研究誌は不必要と考える向きもあった。しかし学会員が老齢化し、若い会員がなかなか増えない現状を見るとき、支部の研究誌は意外に有効な可能性を秘めている。英学の歴史に少しでも興味を抱く大学院生を鼓舞し、必要に応じて訓練することができる。高校の先生や、大学の専任でない若い研究者にも発表の場を提供することが可能である。
支部の研究誌の必要性は分かるとしても、それを編集する技術と意欲を持つ会員がいなくては、その必要性を満たすことはできない。関西支部ではさいわい近畿大学の石井重光幹事がそれの牽引車の役割を果たし、今回の創刊号の発刊に漕ぎ着けた。論文誌であることを重視するが故に査読システムを取り入れ、ISSNを取得した。
関西支部はいまホームページを企画中である。この研究誌がホームページと連携して、支部の活動を一層効果的に宣伝し、会員増強に努め、英学史研究の発展に寄与することを私は期待している。創刊号はA4版72ページの構成で、通信費、送料等を含めて11万円弱かかったことを記録しておきたい。研究誌を継続させていくには、経営的な手腕がどうしても必要であることを覚悟すべきであろう。
私は支部長として創刊号の巻頭言を求められたので、この機会に関西支部の歴史の大枠を振り返ることでその責任を果たした。関西支部の発足は1964年12月12日で、すでに41年を越える歴史をもつ。この創刊号の発行日が2005年12月12日となったゆえんである。もう一つの巻頭言を関西支部の最長老である西岡淑雄氏が書いて下さった。先生は関西支部の支部大会と、9月の研究大会の両方に必ず出席し、後輩の激励を欠かされたことがない。
この創刊号は内容的にみて、遜色のないものだと自負している。『関西英学史研究』は関西の英学史をめざすわけではなく、関西支部による英学史なのであるが、収録する論文のうち半数の3編が関西に関わるものとなった。すなわち南方熊楠関係が2編(吉永武弘氏と吉田芳輝氏)と、何禮之の大坂私塾(佐光昭二氏)である。関西支部は、吉永、吉田の両氏が毎年のように南方熊楠について報告されるので、南方に関する理解が全体として高まってきた。吉永氏は実業界にありながら、テレビと新聞を拒否しつつ、ひたすらに徳川頼倫の従者、斎藤勇見彦の書き残した「欧州御巡回中日記」を通して、熊楠の跡を辿ることに生き甲斐を感じている研究者である。佐光氏の研究から、東京大学となるまでに、開成学校、大学予備門等、次々に名前を変えながら発展をとげた事情は、大阪にあってもよく似たパターンを辿ったことを学ぶことができる。何禮之については英学史学会として今後なお光を宛てていく必要があろう。
英国皇帝代理としてのコンノート殿下の来日と、日本の熱狂的歓迎ぶりを扱った大西俊夫氏の論文。明治初期の「一六休み」をめぐってお雇い教師が日本の文部省と対立した問題を論じた村瀬寿代さんの論文。これらは明治文化史の一こまとして極めて興味深い。私は「イソップ寓話」に表れる「自由」の概念を論じた岩男久仁子さんの論文を非常に興味深く読んだ。「自由」という語は、その背景に古代ギリシア以来の歴史が付随していることをこの論文は教えてくれる。
創刊号をしのぐ内容をもつ第二号を出したい。関西支部はそのようなアンビションを抱いて、五月末の支部大会を迎えようとしている。
(関西支部長 北垣宗治)